ウナ・サンクタ運動(読み)ウナ・サンクタうんどう(その他表記)Una-Sancta Movement

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウナ・サンクタ運動」の意味・わかりやすい解説

ウナ・サンクタ運動
ウナ・サンクタうんどう
Una-Sancta Movement

エキュメニズム (教会一致) を目指す現代カトリック教会内の運動の総称。神の子キリストの樹立した教会は,本来「ウナ・サンクタ (一つの聖なる) 教会」であるという信条を裏切っているキリスト教会分裂の現状を克服するため,20世紀になってからヨーロッパ諸国のカトリック神学者の間にエキュメニズムの研究および実践の機運がたかまり,研究機関の設立,雑誌,双書の発行,大会の開催,他教派との会合対話,共同研究などが行われた。フランスでは 1937年以来,J.コンガールらの努力が著しく,ドイツでは 39年に M.J.メツガー (1887~1944) による「王たるキリスト修道女会」の創立があり,ウナ・サンクタ運動の名のもとに全ドイツに影響を及ぼした。第2次世界大戦後は司教たちの強力な支援のもとに発展し,46年以後はドイツ・プロテスタントとの一致を目指す作業班が活動を続け,57年にはこの目的のためパデルボルンに「J.A.メーラー研究所」が設立された。

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