会合(読み)カイゴウ

デジタル大辞泉 「会合」の意味・読み・例文・類語

かい‐ごう〔クワイガフ〕【会合】

[名](スル)
相談・討議などのために人が寄り集まること。また、その集まり。寄り合い。
ごう2
同種の分子またはイオンが集まって、水素結合分子間力などの比較的弱い結び付きにより、一つの分子またはイオンのように動くこと。
[類語](1会議集会寄り合い集まりミーティング座談会集いまどい団欒協議評議商議審議合議会談話し合い討論相談打ち合わせ討議謀議密議衆議シンポジウムディスカッションパネルディスカッションフォーラムフォーラムディスカッションディベート

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精選版 日本国語大辞典 「会合」の意味・読み・例文・類語

かい‐ごうクヮイガフ【会合】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 相談、討議などのために人が集まること。その集まり。集合。寄り合い。
    1. [初出の実例]「今日賀茂行幸点地也。仍諸司等相催、於陽明門下会合由、先所下知也」(出典:中右記‐嘉保二年(1095)四月五日)
    2. [その他の文献]〔曹植‐七・哀詩〕
  3. 一つに寄り合うこと。一つに合わせること。交わること。また、めぐりあわせ。
    1. [初出の実例]「二線以上の、互ひに会合するとき、相合ふ処に角度をなす」(出典:小学読本(1873)〈田中義廉〉四)
  4. 交合すること。性交。交接。会交。
    1. [初出の実例]「ま男して会合したる所などさまざまにかきて」(出典:古今著聞集(1254)一一)
  5. 二個以上の同種の分子またはイオンが、通常の化学結合によらないで、一つの結合単位となる現象。
  6. ある惑星が、地球から見て太陽と同方向にある、すなわち、太陽と惑星の黄経が一致する時刻。また、そうなった状態。合(ごう)。→衝(しょう)

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改訂新版 世界大百科事典 「会合」の意味・わかりやすい解説

会合 (かいごう)
association

同種の分子2個以上が比較的弱い分子間力によって集合し,一つの単位として行動している状態。また,このような単位を会合体という。会合体を構成している分子の数(会合度)が少ないとき,その数によって二量体,三量体などと呼ぶ。会合を起こす分子には,水,アルコールのように水酸基をもつものが多い。また,ギ酸,酢酸,安息香酸などの有機酸フッ化水素のような無機酸でよく研究されていて,これらでは水素結合によって会合している。会合は,多くの場合,気相,液相で観測されているが,固相でもみられる。会合を起こしている場合,気体の蒸気密度測定法や溶液の氷点法分子量を測定すると,構成分子の分子量の整数倍にはならない。これは,会合度が異なる会合体の間および会合していない分子の間に化学平衡が成立しているために,平均の分子量が得られるからである。このように熱力学的な種々の加成則が成立しなくなるのが,会合を起こした場合の特徴である。会合体と会合してない分子とでは,分子間力のため赤外部,可視部,紫外部の吸収帯に若干の違いが認められる。分子間力としては水素結合によるものが圧倒的に多いが,極性分子では双極子相互作用によるものもある。広義には,異種分子の集合体にも会合の語が使われることがある。また,クラスター,アグリゲイト,ミセルなども会合の一種である。なお,触媒表面で吸着分子が活性化される機構の一つに会合と称するものがある。これは,酸素,エチレンなどの二重結合の一方が開き,触媒の上に2点吸着した状態を指す。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「会合」の意味・わかりやすい解説

会合
かいごう
association

同一物質の2個以上の分子が、液相あるいは気相中で接近し、一つの粒子のようになる現象をいう。2分子からなる場合を二量体、3分子からなる場合を三量体などとよぶ。分子量、導電率、粘度双極子モーメント振動スペクトルなどの測定値に、単量体の存在を前提とすれば異常な値が現れるので、会合がおこっていることを推定できる。溶液で会合が進行すると会合コロイド(ミセル)を生ずる。会合体の生成には、疎水性基の分子間力や、カルボキシ基ヒドロキシ基の水素結合力などが寄与している。溶液中で陽イオン陰イオンとが接近してイオン対(つい)を生ずる現象も会合の一種である。イオン対の場合は静電相互作用の寄与が大きい。

[岩本振武]

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化学辞典 第2版 「会合」の解説

会合
カイゴウ
association

2個以上の同じ分子が結合して,1個の分子のように行動する現象.通常は,2分子または3分子のことが多く,それぞれ二量体三量体とよばれる.会合は多くても10個程度で,それ以上は分子結晶と考えられ,会合とはいわない.これは分子間の結合の性格によるもので,ほとんどが水素結合によっている.水,アルコール,有機酸,アミノ酸などで顕著である.凝固点降下沸点上昇の変化で観察されるほか,分光学的方法や電気的方法からも検出される.励起状態のみで出現する会合状態をエキシマーとよび,蛍光スペクトルから観察される.

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百科事典マイペディア 「会合」の意味・わかりやすい解説

会合(化学)【かいごう】

同種の分子が分子間力によって2個以上結合し,一つの分子(単位)のように行動する現象。また,このような単位を会合体と呼ぶ。単位を構成する分子数によって二量体,三量体などと呼ぶ。溶液中のほか,気体,固体中にも存在する。会合が起こると,氷点法や蒸気密度測定法などで測定したその分子量は,単独の分子としての値より大きくなる。一般にカルボキシル基のような極性基や水酸基などをもつ分子に起こりやすく,たとえば酢酸やフッ化水素などは一部水素結合により会合している。
→関連項目ミセルコロイド

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普及版 字通 「会合」の読み・字形・画数・意味

【会合】かいごう(くわいがふ)

集まりあう。魏・曹植〔七哀詩〕沈、各勢ひを異にす 會合、何れの時にか諧(かな)はん 願はくは西南の風と爲り 長くいて君の懷(ふところ)に入らん。

字通「会」の項目を見る

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「会合」の意味・わかりやすい解説

会合
かいごう

分子会合」のページをご覧ください。

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