化学辞典 第2版 「ウレタン樹脂」の解説
ウレタン樹脂
ウレタンジュシ
urethane resin
狭義には,アルキドのヒドロキシ基をジイソシアナートで橋かけ硬化させた樹脂.硬化は次の3種類の反応により行われる.
(1)-NCO/-OHの反応による硬化:ジイソシアナートとポリヒドロキシ化合物を別々の溶液とし,使用前に2液を混合して用いる.一般にはウレタンラッカー,D/Dラッカーとよばれる.
(2)-NCO/水による硬化:ポリヒドロキシ化合物に2倍モル量以上のジイソシアナートを反応させウレタン化する.過剰に存在している-NCO基は空気中の水分と反応し脱炭酸,アミン生成,ウレタン化して硬化する.硬化促進剤としてはナフテン酸金属塩,第二級アミン類が用いられる.
(3)酸化硬化(ウレタン化油):乾性油にグリセリンを反応させてジグリセリドにし,これとジイソシアナートとを反応させて1分子中に不飽和基を多数個導入したもの.硬化法は通常の不飽和基をもつ樹脂の場合と同じ.
その他,広義には,イソシアナートの反応により変性した樹脂全般をよぶ.耐摩耗性,たわみ性に富み,種々の建材,皮革,金属の塗装,接着に用いられる.[別用語参照]ポリウレタン
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報