日本大百科全書(ニッポニカ) 「エイギール」の意味・わかりやすい解説 エイギールえいぎーるEgill 『エッダ』と『ベルンのシーズレクのサガ』に現れる伝説的な名射手。『エッダ』のなかの「ベールンドの歌」ではフィン人の王の子で、名工ベールンドの兄にあたる。あるとき王は、3歳になるエイギールの息子の頭上にリンゴを置いて彼に射させるが、みごとにこれを射抜く。また王に足の腱(けん)を切られ、島で宝の細工を命じられていた弟ベールンドが、鳥の羽でつくった翼で島を脱出するとき、王にこれを射よと命じられたエイギールは、弟の脇の下の血の入った袋を射って王の目を欺く。一方『ベルンのシーズレクのサガ』によれば、エイギールはニズング王に仕える弓の名手となっている。[谷口幸男] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例