細工(読み)サイク

デジタル大辞泉の解説

さい‐く【細工】

[名](スル)
手先を使って細かい器物などを作ること。また、作ったもの。「精巧な細工」「細工を施す」「竹で細工する」「寄せ木細工
細かなところに手を入れて、見た目をとりつくろったり、ごまかしたりすること。また、そのたくらみ。「帳簿に細工する」「へたに細工しないほうがいい」
細かい器具を作る職人。細工師。
「高陽親王(かやのみこ)と申す人…極めたる物の上手の―になんありける」〈今昔・二四・二〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典 第2版の解説

さいく【細工】

ふつう手先を使って細かい小道具,調度などを作ること,あるいはその職人を指す語。《類聚三代格》809年(大同4)の〈内匠寮雑工長上,番上〉の中にみえる細工,《延喜式》内匠寮で五尺屛風を製作する工人中にあげられた細工は,木工,鋳工,鍛冶工,漆工等と区別された,細かい木製の調度を作る工人で,《宇津保物語》(吹上)で作物所に属し,沈(じん),蘇芳(すおう),紫檀から破子(わりご),折敷(おしき),机等を作った細工も同様の人々であった。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

大辞林 第三版の解説

さいく【細工】

( 名 ) スル
手先を巧みに使ってこまかな物を作ること。また、作られた物。 「手のこんだ-を施す」 「竹-」
物事がうまく運ぶようにいろいろと準備・工夫すること。また、そのくわだて。 「事前に-する」 「あちこち-して失態を隠す」
物をうまく利用するために、こまかい装置をつけること。また、その仕掛け。 「この機械にはいろいろと-がしてある」
こまかな物を作る人。細工人。細工師。工芸家。 「極めたる物の上手の-になむありける/今昔 24

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

精選版 日本国語大辞典の解説

さい‐く【細工】

〘名〙 (「く」は「工」の呉音)
① もと、内匠寮(たくみりょう)に属し、作物所(つくもどころ)で働いていた職工をいう。小道具、調度など細かい物を作る職人。細工人。
※観智院本三宝絵(984)中「細工をやとひ据ゑてはこぞつくりいださしめたるに、経は長く、はこは短うして入れ奉るに足らず」
② (━する) 木工、彫金など手先を利かせて細かい物を作ること。また、そのもの。手細工
※栄花(1028‐92頃)御裳着「昔賀陽親王(かやのみこ)といひし人こそ、さいくはいみじかりけれ」
③ (━する) 工夫すること。たくらむこと。また、そのもの。くわだて。計画。
※今昔(1120頃か)二八「此の為盛の朝臣は、極たる細工(さいく)の風流有る者の」
※俳諧・去来抄(1702‐04)修行「二度目に鮎一つは少なきことにや。皆是細工せらるる也」
④ (名詞の上に添えて) 本格的でない、素人が器用だけでするの意を表わす。「細工絵」「細工芸」「細工浄瑠璃」「細工剃」など。
⑤ 江戸時代、竹細工、箒、茶筅などを作って売り歩いた下層の人をいう。
※浄瑠璃・都の富士(1695頃)四「老母いたはる世のたつき夫婦勝若諸共に、さいくの者と品くだり」

さいく・む【細工】

〘他マ四〙 細工をする。くふうを凝らす。技巧を凝らす。修飾を施す。
※静嘉堂文庫本無名抄(1211頃)「それを、あまりさいくみてとかくすれば、果てにはまれまれ物めかしかりつる所さへ失せて」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

別腹

1 これ以上は食べられない満腹状態でも甘い菓子なら食べられることを、別の腹に入るといった語。「甘いものは別腹」2 「べっぷく(別腹)」に同じ。...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

細工の関連情報