エピクロロヒドリンゴム

化学辞典 第2版 「エピクロロヒドリンゴム」の解説

エピクロロヒドリンゴム
エピクロロヒドリンゴム
epichlorohydrin rubber

ポリエーテル系の合成ゴム一種で,現在,エピクロロヒドリン単独重合体(a)およびエピクロロヒドリン-エチレンオキシドの共重合体(1:1)(b)の2種類がある.加硫には,ジアミン,尿素やイミダゾリン類などが用いられている.単独重合体は,難燃性で比重が大きく,加工性もすぐれている.加硫物の耐熱性,耐オゾン性はネオプレンより,また耐油性,耐溶剤性はニトリルゴム(アクリロニトリル-ブタジエンゴム)よりすぐれている.ガス透過性はブチルゴムより小さい.ベルト,自動車および航空機用部品,接着剤に用いられている.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のエピクロロヒドリンゴムの言及

【合成ゴム】より

…ポリエステルグリコールやポリエーテルグリコールとジイソシアナートとの反応によって得られるウレタンゴムは,53年ドイツで発表されたものが最初で,耐油性,耐摩耗性にすぐれ,また高強度のゴムが得られることから,ソリッドタイヤ,ロール,ベルトなどの機械部品をはじめ多くの工業用部品に使用されている。このほか卓越した耐熱性,耐油性,耐薬品性をもち,過酷な条件で使用されるパッキング,ホースなどに使用されるフッ素系合成ゴムや,耐候性にすぐれるクロロスルホン化ポリエチレンゴム,耐熱性,耐油性,耐オゾン性にすぐれるエピクロロヒドリンゴムなど,特殊性能をもった合成ゴムが多種生産されるようになった。また,自動車の燃料消費を少なくするため,ころがり抵抗の低いタイヤ用の合成ゴム,アルコール混合ガソリンにも耐える耐油性ゴム,排出ガス対策で温度が高くなったエンジンルームでも使用可能な高耐熱耐油性ゴムなどの開発が進められている。…

※「エピクロロヒドリンゴム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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