ブチルゴム(読み)ぶちるごむ(英語表記)butyl rubber

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブチルゴム」の意味・わかりやすい解説

ブチルゴム
ぶちるごむ
butyl rubber

特殊合成ゴム一種ASTM(アメリカ材料試験協会)の規格による略称IIRイソブチレンイソプレンゴムともよばれる。1.5~5%のイソプレンを含むイソブチレンを塩化メチル中、零下100℃で塩化アルミニウム触媒などによりカチオン重合して合成する。イソプレン単位の炭素‐炭素二重結合を含むので通常の硫黄(いおう)加硫ができる。耐候性、耐熱性、電気絶縁性に優れ、気体透過性、反発弾性が小さく、衝撃吸収性が大きい。欠点は加硫速度が遅く、金属との接着性が劣る。ケーブル、防水シート、ラジエーターホース、ライニング、振動衝撃吸収剤などの用途がある。最大の用途は自動車タイヤのインナーチューブである。チューブレスタイヤのインナーライナー用には加硫性と接着性が改善された塩素化ブチルゴムを用いる。

[福田和吉]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブチルゴム」の意味・わかりやすい解説

ブチルゴム
butyl rubber

合成ゴムの一種。イソブチレンと数%のイソプレンとの共重合体。イソプレン量が少い,きわめて不飽和度の小さいゴム質であるため,加硫しにくい。耐熱老化性,耐薬品性,耐候性などの環境抵抗性や電気特性も良好で,特に気体の透過性が小さいので,タイヤのインナーチューブや電気絶縁材に用いられる。

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