日本大百科全書(ニッポニカ) 「エルミーロフ」の意味・わかりやすい解説
エルミーロフ
えるみーろふ
Владимир Владимирович Ермилов/Vladimir Vladimirovich Ermilov
(1904―1965)
ロシアの批評家、文芸学者。モスクワのジャーナリストの家に生まれる。1920年、新聞の編集に従事しながら評論活動を始める。28年からラップ(ロシア・プロレタリア作家協会)の書記として文学運動を指導するが、その運動方針や文芸理論上の誤りを党から批判され、30年代初めにそれを改める。40年代からは、一時『文学新聞』の編集長を務めはするが、主として19世紀ロシア古典文学の研究に向かう。主著には文芸学者としての地位を固めた『チェーホフ論』(1949)のほか、『ゴーゴリ論』(1952)、『ドストエフスキー論』(1956)がある。
[箕浦達二]