ラップ(その他表記)rap

翻訳|rap

デジタル大辞泉 「ラップ」の意味・読み・例文・類語

ラップ(wrap)

[名](スル)
包むこと。巻くこと。衣服などをまとうこと。
ラップフィルム」の略。「ラップでくるむ」「野菜をラップする」

ラップ(lap)

競走でトラックの一周。競泳ではプールの一往復。
ラップタイム」の略。
工作物の表面の精密な仕上げに用いる研磨工具。平面用・穴用・軸用などさまざまの形のものがある。

ラップ(rap)

1970年代にニューヨークで生まれた黒人音楽スタイル。ビートに合わせた語り(歌詞)に、社会的な主張を盛り込んだもの。

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精選版 日本国語大辞典 「ラップ」の意味・読み・例文・類語

ラップ

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] lap )
  2. 陸上競技と、スピード‐スケートで、トラックを二回以上まわる競技でのトラック一周のこと。競泳ではプールの一往復をいう。〔アルス新語辞典(1930)〕
  3. ラップタイム」の略。
  4. ラップばん(━盤)
    1. [初出の実例]「重量四貫のラップを機械からはずすもの」(出典:機械のなかの青春(1955)〈佐多稲子〉一)
  5. 工作物の表面を研磨するための工具または研磨剤。
  6. 綿、羊毛などの紡績原料繊維を圧搾して、一定の幅と厚さの長い筵(むしろ)状にしたもの。通例、次の工程に便利なように円筒状にしてある。むしろわた。

ラップ

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] rap )
  2. 霊が物を叩くような音で意志を伝えようとすること。交霊術でいう。
    1. [初出の実例]「『あ!ラップです、ラップが聞えはじめました』と交霊術師が言った」(出典:女面(1958)〈円地文子〉一)
  3. ポピュラー音楽の様式の一つ。リズムに乗せて日常生活の事物、社会的な主張などを語るもの。一九七〇年代後半にニューヨークの黒人の若者の間で広まり、八〇年代初めからこの名で呼ばれるようになった。

ラップ

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] wrap )
  2. 包むこと。包装すること。「野菜をラップして冷蔵庫に入れる」
  3. 家庭で食品包装に使う薄くて透明なポリエチレン製の膜。ラップフィルム。
    1. [初出の実例]「姉は、ラップで皿をおおう。紫のふろしきで包む」(出典:岬(1975)〈中上健次〉)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ラップ」の意味・わかりやすい解説

ラップ
rap

リズミカルで韻を踏んだ話しことばを伴奏に合わせて唱える,アメリカ合衆国発祥の音楽スタイル。おもにデジタルサンプリング(他の録音作品から音やメロディを抽出すること)された音楽が使われる。ラップはそれらのバックミュージックやカルチャームーブメントを示すヒップホップと同義語に扱われることが多い。ニューヨークアフリカ系アメリカ人のコミュニティで生まれたラップだが,シュガーヒル・ギャングが 1979年に発表した楽曲『ラッパーズ・ディライト』Rapper's Delightのヒットにより,全米および世界に知られるようになった。ラップの初期のスターに,グランドマスター・フラッシュ&ザ・フューリアス・ファイブ,ラン-DMCや LL・クール・J,ビースティ・ボーイズ,そして過激な政治的メッセージで知られるパブリック・エナミーがいる。1980年代後半には,暴力や薬物を美化したり,しばしば女性蔑視を助長したりする過激な「ギャングスタ・ラップ」gangsta rapが登場した。その後,ディディ,スヌープ・ドッグ,ジェイ・Zアウトキャスト,エミネム,カニエ・ウェスト,リル・ウェイン,ドレイク,ニッキー・ミナージュらが輩出した。

ラップ
Lapp, Ralph Eugene

[生]1917.8.24. ニューヨーク,バッファロー
[没]2004.9.7. バージニア
アメリカの核物理学者。シカゴ大学卒業。第2次世界大戦中「マンハッタン計画」に加わり,冶金部門の研究に従事。戦後アーゴン国立原子力研究所副所長 (1945) ,陸軍省科学顧問 (1946) ,海軍研究本部核物理学部部長 (1949) などを務めた。 J.ケネディの大統領選挙運動中は軍縮,軍備規制に関する政綱の作成に携わり,1961年「四科学会社」を設立,地球科学の分野における研究,開発の相談にあたる。核軍備の危険性,アメリカの核軍拡の行き過ぎを警告する発言,評論で知られる。『兵器文化』 The Weapons Culture (1968) など多数の著書がある。

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百科事典マイペディア 「ラップ」の意味・わかりやすい解説

ラップ

1970年代半ばに,ニューヨークのアフリカ系住民のなかから生まれた音楽ジャンル。リズムに乗って行う独特の語りと,ディスコ系のビートやファンク・ミュージックが結びついて発展。2台のターンテーブルを用いた〈スクラッチ〉(レコード盤を前後に動かしてノイズを作ること)や,多彩な音源を編集するスタイルが定着し,1980年代にはランDMCなどが活躍して大衆音楽の一ジャンルとして定着した。パブリック・エナミーなど過激な政治的メッセージを歌うグループも登場し,米国アフリカ系住民の大きな表現手段となる一方で,一般化と風俗化も進み,日本をはじめ世界中の大衆音楽で各国語による同種の音楽が試みられている。→ヒップ・ホップ
→関連項目崔健ディスク・ジョッキーバスキア

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ラップ」の意味・わかりやすい解説

ラップ(ロシア・プロレタリア作家協会)
らっぷ
РАПП/RAPP

ソ連の文学団体。ロシア・プロレタリア作家協会の略称。文学、芸術におけるプロレタリアートの主導的地位の確立、ブルジョア文化浸透の防除を目的に1925年1月創立され、機関誌『ラップ』『文学哨所(しょうしょ)で』などを刊行、活動した。しかし、早くも6月には、共産党中央委員会の決定で、プロレタリア作家のセクト主義が批判され、翌年2月の分裂に至る。のちファデーエフ、エルミーロフ、セリビンスキーらの作家、評論家の加盟もあったが、プロレタリアート以外の階層出身の作家を排除する傾向が改まらず、32年4月の文学組織の再編成に関する党中央委員会の決定により解散。その成員はソ連作家同盟に参加した。

草鹿外吉


ラップ(民族)
らっぷ
Lapp

サーミ

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音楽用語ダス 「ラップ」の解説

ラップ[rap]

いろいろなビートに語呂のいいしゃべりを乗せたもの。もともとは黒人独特の話術を指したスラングだったが、'70年代末にシュガー・ヒル・ギャングやアフリカ・バンバータがシングルをヒットさせ、'80年代に入って、RUN D.M.C.のアルバムのヒットで一般的になった。アレステッド・ディベロップメントのような内省的なラップや、サイプレス・ヒルのような黒人以外のラッパーも出現し、幅は広がっている。

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食器・調理器具がわかる辞典 「ラップ」の解説

ラップ【wrap】

食品を保存する際に、食品を包んだり、食品を入れた容器にぴったりかぶせたりするのに用いる、薄く透明な膜。ひっぱりに強く密着性に優れ、鮮度保持・乾燥防止・かび防止になる。耐熱性・耐冷性があり、電子レンジや冷凍庫に入れて使うこともできる。材質はポリ塩化ビニリデン・ポリエチレンなど。◇「包む」という意。

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367日誕生日大事典 「ラップ」の解説

ラップ

生年月日:1917年8月24日
アメリカの物理学者
2004年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のラップの言及

【ラッピング】より

…ラップと呼ばれる工具の表面に微細粒径の砥粒(とりゆう)を加工液とともに分散させ,これに加工物を押しつけながら相対滑り運動を与えて,高精度な平面や曲面の加工を行う遊離砥粒加工法の一種。宝石などをみがくため古くから用いられていた手法で,今日でも最高度の精度が要求される加工に利用され,0.1μm以下のオーダーの表面粗さや形状精度を達成することができる。…

※「ラップ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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