オオウミグモ(読み)おおうみぐも

日本大百科全書(ニッポニカ) 「オオウミグモ」の意味・わかりやすい解説

オオウミグモ
おおうみぐも / 大海蜘蛛

節足動物門ウミグモ綱オオウミグモ科Colossendeidaeの海産動物の総称。5属約80種が知られ、ウミグモ類のなかでも大形のものが多く、吻(ふん)を加えた全体長10ミリメートル以上である。鋏肢(きょうし)を欠く。触肢、担卵肢は各10節で細長く、いずれも吻より長い。歩行肢も長く、全体長の数倍から十数倍もあり、一見麦藁(むぎわら)細工のようにみえる。歩行肢を5対または6対もった種が西インド諸島南氷洋で発見されている。多くは水深50メートル以上の深海にすむ。生活史は不明である。代表種のベニオオウミグモColossendeis colosseaは世界最大種で、全体長85ミリメートル、歩行肢長350ミリメートルに達する。世界的に広く分布し、冷水域にすんでいる。

[中村光一郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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