深海(読み)シンカイ

デジタル大辞泉 「深海」の意味・読み・例文・類語

しん‐かい【深海】

ふかいうみ。海洋動物学では水深200メートル以上、海洋学では2000メートル以上の深さの海をいう。光が透過せず、光合成は行われない。
[類語]海溝海淵浅海

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「深海」の意味・読み・例文・類語

しん‐かい【深海】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 深い海。海の深いところ。
    1. [初出の実例]「高山風易起、深海水難量」(出典性霊集‐一(835頃)遊山慕仙詩)
  3. 地理学では海面下二〇〇メートルより深い海。海洋学では一般に二〇〇〇メートルより深い海中の部分をいう。日光が届かないので暗く、水温塩分変化も少ない。〔英和和英地学字彙(1914)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「深海」の意味・わかりやすい解説

深海 (しんかい)

海洋生物学では深海deep-seaとは,水深200m以深をいい,200~3000mを漸深海帯bathyal zone(もしくはarchibenthal zone),3000m~大洋底(約6000m以浅)を深海帯abyssal zone,それ以深の海溝部を超深海帯hadal zone(もしくはultra-abyssal zone)という。海洋の構造のうえから見ると,海表面から深度200mまでは季節変化を受け表層(表面混合層とも)と呼ばれ,それ以深200~1000mに温度が急激に下降する主躍層があり,1000~3000mまでは徐々に下降し,3000m以深はほぼ一定である。表面から主躍層まで(0~1000m)を表層とすることもあり,それに対比させて1000~3000mを中深層と呼ぶこともあって,それ以深の深層と区別される。海水循環においても中深層と深層とでは違いがある。海底地形では深海(abyssalやdeep-sea)という用語の多くは大洋底(4000~6000m)の地形をいう。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「深海」の意味・わかりやすい解説

深海
しんかい
abyss
deep sea

どの程度の深さからを深海というかの明確な定義はない。海洋学では、一般に2000メートルより深い所をさすことが多く、1000メートル以浅に使われることはまずない。英語のabyssalという形容詞は300尋(ひろ)(約540メートル)以深をいい、深海動物相でいう深海は大陸斜面上限以深のものをいう。海底地形の深海底は深さ2000~6000メートルの海底部をさすが、そのうち深さ4000~5000メートルの部分の面積は全海底の約3分の1で、もっとも広い

[半澤正男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

普及版 字通 「深海」の読み・字形・画数・意味

【深海】しんかい

深い海。

字通「深」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内の深海の言及

【海】より

…ここから約4000mまでの深さの海底の占める面積は小さく,その傾斜は急で,これを大陸斜面という。しかし,約4000mから約6000mまでの海底の占める面積はきわめて広大で,全地球の面積の半分を占めており,これが深海底の部分である。さらに約6000mよりも深いところはごく狭く,全海洋の1.2%しかない。…

※「深海」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android