ふん(読み)フン

デジタル大辞泉 「ふん」の意味・読み・例文・類語

ふん[感]

[感]
目下の者などに対し、軽く受け答えするときに、また、承諾の意をぞんざいに表すときに発する語。うん。「ふん、そう」
不満や軽視の気持ちを表すときに発する語。「ふん、ばかばかしい」

ふん[接頭]

[接頭]動詞「ふ(踏)む」の連用形「ふみ」の音変化》動詞に付いて、その動作を荒々しく行う意を表す。「ふんじばる」「ふんだくる」「ふんづかまえる」

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精選版 日本国語大辞典 「ふん」の意味・読み・例文・類語

ふん

  1. 〘 感動詞 〙
  2. 相手の話に軽く応じたり、ぞんざいに、承諾の意を表わしたりする時に発することば。うん。ふむ。
    1. [初出の実例]「ふん、こりゃ、ふるうはあらふが、むさいやつぢゃな」(出典:狂言記・粟田口(1660))
  3. 人の話を嘲笑して鼻であしらう時に発することば。
    1. [初出の実例]「フン癯(やせ)我慢をお言ひでない」(出典浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉一)

ふん

  1. 〘 接頭語 〙 ( 動詞「ふむ(踏)」の連用形「ふみ」の変化したもの ) 動詞の上に付いて、その動作を荒々しく行なう意を表わす。「ふん縛(じば)る」「ふんだくる」「ふん掴(づか)まえる」など。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ふん」の意味・わかりやすい解説

フン
ふん
Hun

4世紀、ヨーロッパに侵入した北アジアの遊牧騎馬民族。その名は170年に記されたギリシアの地理学者プトレマイオスの書にもみえ、当時彼らがドン川とボルガ川との間に住み、その後続部族はシルダリヤ近隣にいたことがわかる。4世紀の中ごろから西方へ移動し始め、ドン川東岸のアラン人を併合し、374年ドン川を渡って東ゴート王国を攻め滅ぼし、ついでドニエステル川を渡って西ゴートを破り、これらの諸族を併合したが、西ゴート人の一部はローマ帝国に請い、トラキアに入居した。これは後の民族大移動の原因となった。フン王ウルディスの時代、彼らはドナウ川を渡ってブルガリアに入ったが、ローマ帝国は彼らを懐柔し、フン人はローマ軍の傭兵(ようへい)として働いた。アッティラがフン王となると(434)、西ローマ帝国への侵入を開始、ライン川を渡って北フランスに軍を進め、451年カタラウヌム平原で、西ローマ軍と激戦が行われた。勝利を得なかったアッティラは一時パンノニアに帰り、翌年イタリアに転進、ローマに迫ったが、教皇レオ1世の説得をいれ、パンノニアに帰り、453年に死んだ。彼の死後子孫の間に争いが絶えず、カスピ海よりライン川にまたがるフンの大王国は分裂、微弱化し、ブルガール人、アバール人に吸収混融し去った。フン人とモンゴルに繁栄した匈奴(きょうど)とが同族ないしはその子孫であろうとの学説は、遊牧を基礎とする生活様式、風習、遺物形式、匈奴の西方移動とフンの中央アジア出現時期の合致、その使用言語の同一(古代トルコ語)のほか、中国の『魏書(ぎしょ)』がアッティラやその子孫のフンのことを匈奴と記していることなどから主張されている。少なくとも巨視的にみて、両者が同一系統の民族であることは疑いない。

[内田吟風]

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