日本大百科全書(ニッポニカ) 「オオカミと七匹の子ヤギ」の意味・わかりやすい解説
オオカミと七匹の子ヤギ
おおかみとしちひきのこやぎ
Der Wolf und die sieben jungen Geißlein
『グリム童話集』(第5番)の話。母ヤギの留守にオオカミがヤギの家にきて、声をきれいに変え、脚を白く見せかけて、子ヤギたちに戸口を開けさせ、子ヤギを食べてしまう。帰ってきた母ヤギは、1匹だけ隠れていた末っ子からわけを聞き、眠っているオオカミの腹を切り開いて子ヤギたちを助け出す。オオカミの腹の中に石を詰め込んでおくと、目を覚ましたオオカミは、水を飲もうとして井戸へ落ちて死ぬ。12世紀にはすでに記録されていて、全ヨーロッパでよく知られている。
[小澤俊夫]
『金田鬼一訳『グリム童話集1』(岩波文庫)』