化学辞典 第2版 「オキサジアゾール」の解説
オキサジアゾール
オキサジアゾール
oxadiazole
C2H2N2O(70.05).O原子1個,N原子2個を含む芳香族複素五員環化合物.4種類の異性体が考えられるが,1,2,4-,1,2,5-,1,3,4-オキサジアゾールの3種類が単離されている.【Ⅰ】1,2,4-オキサジアゾール:酢酸ギ酸混合酸無水物とホルムアルドキシムとの反応により得られる.液体.沸点87 ℃.ほとんど塩基性を示さず,酸,アルカリに安定である.【Ⅱ】1,2,5-オキサジアゾール:フラザンともいう.グリオキシムとコハク酸無水物とを150~170 ℃ に加熱して留分を集めると得られる.融点-48 ℃,沸点98 ℃.1.4077.アルカリで容易に開環して,α-オキソアセトニトリルのオキシム(HON=CHCN)を与える.【Ⅲ】1,3,4-オキサジアゾール:ジホルミルヒドラジンの脱水環化により得られる.液体.沸点150 ℃.1.430.熱に安定で,ほとんど塩基性を示さない.【Ⅳ】1,2,3-オキサジアゾール:分子軌道計算法により,この分子は基本的に不安定であることが示された.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報