最新 地学事典 「オーストリア時相」の解説
オーストリアじそう
オーストリア時相
Austrian phase
H.Stille(1924)が設定した褶曲時相の一つで,ほぼ白亜紀中ごろ。観念的には北部石灰アルプス北縁およびその内部に分布するCenomanian(と彼は考えた)より前で,この地域のNeocomianより後の時相。具体的には,彼がUpper Turonian~Senonianと考えたGosau層の前。一方,F.HeritschはGosauより前すなわちvorcenomanという表現をしているので,概念の内容としてはStilleのオーストリア時相とHeritschの先ゴザウ時相とは一致する。いずれにしろ,この運動がオーストリア・アルプス(東アルプス)のデッケ構造形成にとって最大の意味をもつので,オーストリアの名をとるという。
執筆者:山下 昇
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

