改訂新版 世界大百科事典 「カジョリ」の意味・わかりやすい解説
カジョリ
Florian Cajori
生没年:1859-1930
アメリカの数学史家。スイスに生まれ,16歳で兄とともに渡米,ウィスコンシン大学,ジョンズ・ホプキンズ大学で数学を学んだ。1889年からコロラド・カレッジの物理学教授,98年からは数学教授を歴任,1918年にはカリフォルニア大学バークリー校の数学史教授に招かれた。今日カジョリの名が著名なのは数学史家として多くの著述を行ったからである。とくに《数学史》(1894),《初等数学史》(1896)は広範に読まれた。《数学記号史》全2巻(1928-29)は類書がない貴重な研究。《プリンキピア》のモットA.Motteによる英語訳を改訂した仕事も特筆される。そのカジョリ版は今日もっともよく利用される《プリンキピア》の版本の一つである。また《物理学史》(1929)も広範に読まれた。
執筆者:佐々木 力
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報