日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ジョンズ・ホプキンズ大学
じょんずほぷきんずだいがく
Johns Hopkins University
アメリカ合衆国メリーランド州ボルティモアにある私立大学。クェーカー教徒の実業家ジョンズ・ホプキンズJohns Hopkins(1795―1873)の寄付金を元に、1867年ジョンズ・ホプキンズ病院設立とともに意図され、1876年、開校。初代総長ダニエル・コイト・ギルマンDaniel Coit Gilman(1831―1908)は、ヨーロッパとくにドイツ型の学術研究を中心とする大学の創造を目ざし、当時低いレベルにあったアメリカの大学に、初めて科学研究を中心とする大学院レベルの課程を置き、ドイツ留学の経験をもつ新進気鋭の学者を集めた。研究中心のこの大学は、その後のアメリカ独自の大学院教育のモデルとなった。研究重視の伝統は今日まで継承され、とくに医学部門の教育・研究水準の高さは全米のトップレベルにある。文理学、工学、医学、看護学、公衆衛生学、国際問題、経営学、教育学などの各学部と、夜間学部などが置かれている。2003年現在、ボルティモアの本部キャンパスの学生数は5753人、そのうち学部課程学生が4177人、常勤教員数は478人。当初は大学院大学として創設されたが、今日では3分の2以上が学部課程学生によって占められる。なお、本部のほかにも、ボルティモア市内、ワシントンWashington, D. C.やイタリアのボローニャ、中国の南京(なんきん)などにもキャンパスがある。
[喜多村和之]