カメート山(読み)かめーとさん(その他表記)Kamet

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カメート山」の意味・わかりやすい解説

カメート山
かめーとさん
Kamet

インドと中国チベット自治区の境界に近いクマウン・ヒマラヤ山脈にある高峰。標高7756メートル。その美しい雄姿で古くから知られた。ガンジス川上流の山間支流サラスワティ川とダワリ川との間に挟まれて、一群の山カメート、アピ・ガミン(7355メートル)、マナ(6541メートル)がそびえる。カメートがヒマラヤ登山史のなかでとくに注目を集めたのは、当時、人間の登った最高峰だったからである。1855年にドイツの旅行家シュラーギントワイト兄弟が、北のチベット側から試頂して以来、実に10回の試みのあと、1931年6月、イギリスのF・S・スマイス隊によって初登頂された。なお、カメート山の北西および北東25キロメートルの地点にあるマナ峠(5612メートル)とニティ峠(5071メートル)は古来チベットへのルートとして知られていた。山頂の帰属国は未定。

[金子史朗]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android