日本大百科全書(ニッポニカ) 「カラタチゴケ」の意味・わかりやすい解説
カラタチゴケ
からたちごけ
[学] Ramalina calicaris Röhl. var. japonica Hue
地衣類サルオガセ科の1種で、山地の樹皮に着生し、長さ2~5センチメートル。地衣体は二又状に分かれ、灰白色で、幅の狭い帯状となり、縁(へり)には刺(とげ)状の突起が出る。日本各地のほか、台湾にも分布する。
サルオガセ科カラタチゴケ属全体の総称名としてカラタチゴケということもある。日本にはカラタチゴケ属として約20種が知られ、いずれも山地の樹皮に着生する。まれに山地の岩上や、海岸近くの岩上にもみられる。地衣体は灰白色ないし黄緑色で、二又状に分かれる。この属には、高山性のタカネカラタチゴケR. roesleri、海岸性のハマカラタチゴケR. crassa、日本特産のホソカラタチゴケR. exieisなどが含まれる。
[佐藤正己]