改訂新版 世界大百科事典 「カール14世」の意味・わかりやすい解説
カール[14世]
Karl ⅩⅣ Johan
生没年:1763-1844
スウェーデン,ノルウェー王。在位1818-44年。現ベルナドット王家の開祖。南フランスのポー出身。17歳で下士官となり,武功が多く昇進も早く,ナポレオンの親族デジレと結婚,1804年に元帥,06年イタリアのポンテコルボ公となり,皇帝の右腕として各地遠征を行った。10年にスウェーデン国会で,ロシアからのフィンランド奪回を託されて王位継承者に選ばれ,フランス名ベルナドットJean-Baptiste Bernadotteをカール・ヨハンと改名した。11年ころから実権を握ったが,国会の意に反してナポレオンと絶縁してロシアと同盟を結び,以降親露的外交方針を貫いた。13年に対ナポレオン解放戦争で北欧軍を率いて戦勝し,翌年デンマークからノルウェーを獲得,18年即位した。〈平和こそ思慮・経験に富む政府の栄光ある目標〉と国会で宣言し,事実治世下では戦争はなかったが,保守的・独裁的な態度が目立ったため,しだいに国会や自由主義者の強い反発を受けた。
執筆者:清原 瑞彦
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報