山川 世界史小辞典 改訂新版 「ガット・ラウンド交渉」の解説
ガット・ラウンド交渉(ガット・ラウンドこうしょう)
GATT Round of multilateral trade negotiations
ガットが主催する多角的貿易交渉。ガット設立の当初は,関税引下げが主たる議題であったことから関税交渉と呼ばれたが,1970年代以降,非関税障壁問題や新分野の自由化が重要な議題となったことからガット・ラウンド交渉と呼ばれるようになった。これまで(1)ジュネーヴ(47年),(2)アヌシー(49年),(3)トーキー(51年),(4)ジュネーヴ(56年),(5)ディロン・ラウンド(60~62年),(6)ケネディ・ラウンド(62~67年),(7)東京ラウンド(73~79年),および(8)ウルグアイ・ラウンド(86~94年)の8回行われた。交渉方式は,当初参加国同士が国別,品目別の2国間関税交渉を並行して行っていたが,ケネディ・ラウンド以降関税一括引下げ交渉が原則となった。また,関税引下げが一定のレベルに達したため,ついで非関税障壁が,そして現在では貿易関連投資や知的所有権の保護など新分野のルールづくりが問題となっている。1995年に世界貿易機関(WTO)が発足してからは,WTOがラウンド交渉を主催している。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報