WTO(読み)ダブリューティーオー(その他表記)World Trade Organization

デジタル大辞泉 「WTO」の意味・読み・例文・類語

ダブリュー‐ティー‐オー【WTO】[World Trade Organization]

World Trade Organization世界貿易機関GATTに代わって、世界貿易の自由化と秩序維持の強化を目ざす国際機関。1995年1月に発足。鉱工業製品や農産物のほか、通信・金融などのサービス貿易知的財産権なども対象とする。本部はジュネーブ

ダブリュー‐ティー‐オー【WTO】[World Tourism Organization]

World Tourism Organization世界観光機関UNWTO)の旧略称。2005年に世界貿易機関(WTO)との混同を避けるため改めた。

ダブリュー‐ティー‐オー【WTO】[Warsaw Treaty Organization]

Warsaw Treaty Organization》⇒ワルシャワ条約機構

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共同通信ニュース用語解説 「WTO」の解説

WTO

世界貿易機関(WTO) 国家間の貿易規則を定める唯一の国際機関。関税貿易一般協定(ガット)に代わって1995年に発足し、164カ国・地域が加盟。本部はスイス・ジュネーブ。通商ルール策定では、新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)が2001年に始まったが、意見の不一致が続き事実上頓挫。紛争処理もまひし、機能不全が目立つ。(共同)

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知恵蔵 「WTO」の解説

WTO

ガットの多角的交渉として1994年に終結したウルグアイ・ラウンドで合意され、各国批准を経て95年1月に発足した、貿易に関する国際機関。WTO体制の大きな特徴として、(1)モノの貿易ルールだけでなく、サービス貿易、知的財産権などの広範な分野における国際的ルールの確立、(2)農業分野における関税化、輸出補助金の削減などの自由化の促進、(3)紛争解決手続きの大幅な強化、などが挙げられる。また、アンチ・ダンピング協定に関しても、その恣意的運用を避ける方向を打ち出した。さらに、セーフガード発動などの規定がより現実的になり、輸出自主規制などの灰色措置が禁止された。このように、WTO合意は包括的かつ画期的なものであり、95年以降、新たなルールが国際貿易に適用されたと評価することができる。2005年12月のサウジアラビア加盟により、06年7月現在、149の国・地域がメンバーである。また01年11月、ドーハ(カタール)での第4回WTO閣僚会議で新たな多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)を開始する宣言が採択され、02年2月1日の貿易交渉委員会でドーハ・ラウンドがスタートした。当初、交渉期間は3年間、05年1月1日までの終了を目標としていた。交渉対象はウルグアイ・ラウンドで既決であった農業とサービスに加えて、非農産品(鉱工業品と林水産品)市場アクセス、ルール(アンチ・ダンピング協定、補助金協定、地域貿易協定)、TRIPS協定、貿易と環境、紛争解決了解の改正、貿易と発展、の8分野。ドーハ・ラウンドを巡る状況は、中国のWTO加盟、農業問題での対立、増加するアンチ・ダンピングやセーフガードの発動、FTA(自由貿易協定)の増加傾向など、諸問題が目白押しであり、06年中の交渉終結が目指されていた。しかし、交渉の溝が埋まらず06年7月下旬に全体交渉は凍結となった。

(永田雅啓 埼玉大学教授 / 松尾寛 (株)三井物産戦略研究所副所長 / 2007年)


WTO

世界観光機関」のページをご覧ください。

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

農林水産関係用語集 「WTO」の解説

WTO

World Trade Organization(世界貿易機関)の略。ウルグアイ・ラウンド合意を受け、関税及び貿易に関する一般協定(ガット)に代わり、1995年1月に発足した国際機関。本部はジュネーブにあり、貿易障壁の除去による自由貿易推進を目的とし、多角的貿易交渉の場を提供するとともに、国際貿易紛争を処理する。

出典 農林水産省農林水産関係用語集について 情報

世界大百科事典(旧版)内のWTOの言及

【世界貿易機関】より

ウルグアイ・ラウンド合意をうけて,〈世界貿易機関を設立するマラケシュ協定〉(WTO協定。1994)にもとづき,GATT(ガット)に代わる機関として1995年1月1日設立された国連の関連機関。…

【世界貿易機関】より

ウルグアイ・ラウンド合意をうけて,〈世界貿易機関を設立するマラケシュ協定〉(WTO協定。1994)にもとづき,GATT(ガット)に代わる機関として1995年1月1日設立された国連の関連機関。…

※「WTO」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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