ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説
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ガット(GATT=関税と貿易に関する一般協定)による多角的通商交渉「ウルグアイ・ラウンド」(1986~1993年)の最終合意文書「マラケシュ協定」によって設立が決定され、ガットを発展的に解消する形で1995年1月1日に発足した国際機関。略称WTO。本部をジュネーブに置く国際連合の正式専門機関で、2019年7月時点で164の国と地域が加盟している。多角的で無差別な自由貿易を推進し、各国の経済発展に資するというガットの精神を受け継ぎ、「ドーハ・ラウンド」(2001年~ )の主体として活動中である。ガットが「協定agreement」であったのに対し、WTOは「機関organization」であり、加盟国の合意事項違反に経済的制裁を課するなど、国際紛争処理能力が強化されている。
多角的通商交渉は当初の貿易障壁の軽減や撤廃という目的から、その領域をしだいに拡大し、今日では金融・通信・運輸などのサービス自由化から、特許・商標・著作物等の知的所有権や通関手続の国際的統一、投資ルールの設定までもが交渉の対象とされるようになった。さらには各国の労働条件や環境問題が論じられるに至っている。経済発展段階が違い、利害関係を異にする加盟国が急増したことと相まって、コンセンサス(全会一致)方式をとる交渉はけっして容易なものではない。自由貿易やグローバリゼーションに反対する勢力も存在し、1994年のシアトル閣僚会議は、安価な輸入品流入に危機感をもつ労働組合や、自由貿易が環境破壊につながることを懸念するNGO団体などのデモによって開催を阻止された。ようやく開催にこぎつけた「ドーハ・ラウンド」も中断や決裂を繰り返し、2009年末時点で大枠合意にすら至っていない。交渉を難航させているのは、農産品輸出国のアメリカに対する国内農業補助金削減要求、同じく農産品輸出に関心をもつ国々からの先進国市場開放への圧力、開発途上国による鉱工業品関税引下げ要求への抵抗といった、根強い対立の構図である。
さらに2008年の「リーマン・ショック」を契機とする世界大不況に際会して数度にわたって開催された主要20か国・地域(G20)の首脳会談においても、自由貿易体制堅持の重要性が主張されたにもかかわらず、多くの国が関税の引上げ、非関税障壁の強化、国内産業の支援等の形で保護貿易への傾斜を強めていることは、WTOにとっての重大なる危機である。
[村上 敦]
『岩沢雄司著『WTO(世界貿易機関)の紛争処理』(1995・三省堂)』▽『農林水産物貿易問題研究会編『資料 世界貿易機関(WTO)農業関係協定集』(1995・国際食糧農業協会)』▽『外務省経済局監修『WTO――世界貿易機関を設立するマラケシュ協定』(1995・日本国際問題研究所)』▽『鷲見一夫著『世界貿易機関(WTO)を斬る――誰のための「自由貿易か」』(1996・明窓出版)』▽『津久井茂光著『WTOとガット――コメンタール・ガット1994』(1997・日本関税協会)』▽『小寺彰著『WTO体制の法構造』(2000・東京大学出版会)』▽『本山美彦編『グローバリズムの衝撃』(2001・東洋経済新報社)』
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