キリストの哀悼(読み)キリストのあいとう(その他表記)Lamentation; Pietà

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キリストの哀悼」の意味・わかりやすい解説

キリストの哀悼
キリストのあいとう
Lamentation; Pietà

キリスト教美術の主題。十字架から降ろされたばかりの死せるイエスを囲んで嘆き悲しむ聖母マリア,マグダラのマリア,ヨハネ,そのほかの人々の姿を表わした図像は,11世紀ビザンチン時代の象牙浮彫に初めて現れ次第に感情的表現を強めていったが,福音書や外典には典拠がなく,中世後期にイエスとマリアの生涯についての黙想が盛んになるにつれて,一般的となった想像上の場面。キリストの屍がマリアの膝に抱かれている単独図像は『ピエタ』と呼ばれ,13,14世紀に盛んに表現された。ボンの美術館に所蔵されている 14世紀初頭のドイツ・ライン地方のピエタ木像は最も有名な作例。ルネサンス時代においても,ピエタは人間らしい感情の表現として競って表現され,ローマ,サン・ピエトロ大聖堂所蔵のミケランジェロの『ピエタ』 (1498~1500) をはじめ,多くの名作が生れている。

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