日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
クリメント・スモリャチッチ
くりめんとすもりゃちっち
Климент Смолятич/Kliment Smolyatich
生没年不詳。12世紀ロシアの聖職者。1147年、キエフ公イジャスラフIzyaslav Ⅱの支持を得て、キエフ教会のロシア人としては2人目の府主教となったが、コンスタンティノープル総主教の承認は得られなかった。当時、キエフ教会はすでにビザンティン教会から独立していたが、ロシアの聖職者は依然としてコンスタンティノープル総主教に従属していたため、彼は、イジャスラフ公の死(1154)ののちに辞任。博学多識で知られ、スモレンスクの司祭フォーマーと交わした往復書簡の一部が現存している。
[田口貞夫 2018年2月16日]