グランド・ジャット島の日曜日の午後

デジタル大辞泉プラス の解説

グランド・ジャット島の日曜日の午後

フランスの画家ジョルジュ・スーラの絵画(1884-1886)。原題《Un dimanche après-midi à l'île de la Grande Jatte》。新印象派の創始者スーラの代表作点描法を駆使し、パリ近郊のセーヌ川中州、グランド・ジャット島に憩う人々の姿を描いたもの。シカゴ美術館所蔵。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

世界大百科事典(旧版)内のグランド・ジャット島の日曜日の午後の言及

【新印象主義】より

…こうした秩序感覚は構図にもむけられ,黄金比をはじめとする,古典的で厳格な幾何学的構図が用いられた。スーラの《グランド・ジャット島の日曜日の午後》(1886)はこうした新印象主義の記念碑的な作品である。しかし,彼はこれにあきたらず,画面における線の方向と感情を関係づけようとするアンリCharles Henry(1859‐1926)の象徴主義的な美学――たとえば,右方向に上ってゆく線は見る者に快感を与える――に共鳴し,それを実制作に取り入れることで新印象主義をより完全なものにしようとしたが,早世した。…

【スーラ】より

…以後,二人はともに,純色を点描によって並置することで輝かしい視覚混合を生み出す(点描主義)一方で,画面全体を幾何学的な秩序感覚で統合する,いわゆる新印象主義を基礎づけていく。86年の《グランド・ジャット島の日曜日の午後》はそのみごとな成果であり,そこでは色彩,形態,構図のすべてが稠密に秩序づけられている。彼のこうした秩序志向は,同年出会った象徴主義的美学者アンリCharles Henryの〈科学的美学〉(一定の色彩,線の方向に一定の感情を照応させる,というもの)によって強化され,《客寄せ道化》(1887)をはじめとする,静謐(せいひつ)で象徴主義的な一群の風俗画,また神秘的に静まりかえる海景画が数点描かれ,これらは当時親交のあった象徴主義者たちの間で評判をよんだ。…

※「グランド・ジャット島の日曜日の午後」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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