改訂新版 世界大百科事典 「ゲノベーバ」の意味・わかりやすい解説 ゲノベーバGenoveva 近世ドイツの〈民衆本〉やグリムの《伝説集》に登場する貞節で信心深い女性。夫の伯爵が出征中に留守居役に言い寄られ,拒んだため,かえって不義密通の讒訴(ざんそ)を受ける。辛うじて一命を救われ森の中でいたいけな(夫の)子と暮らすこと6年3ヵ月,不思議な鹿の導きで狩りに出た伯爵の目にふれ,疑いはすべて晴れるが,その命はほどなく天に召される。トリール司教領の森の地に聖母教会が建てられたという。元は縁起譚の類であろう。執筆者:新井 皓士 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by