日本大百科全書(ニッポニカ) 「コウノトリ目」の意味・わかりやすい解説
コウノトリ目
こうのとりもく
鳥綱の1目。この目Ciconiiformesはサギ、コウノトリ、トキなどを含み、通常サギ科Ardeidae、シュモクドリ科Scopidae、コウノトリ科Ciconiidae、ハシビロコウ科Balaenicipitidae、トキ科Threskiornithidaeの5科に分類される。なお、人によっては、フラミンゴ科もコウノトリ目に入れる。これらの諸科の鳥は、一部の種を除いて、浅い水たまりや水辺で餌(えさ)をあさる。食性はほぼ完全に動物食で、生きた動物や昆虫をとって食べるが、ハゲコウ類は腐肉を好む。このため、ほとんどの種が足と頸(くび)と嘴(くちばし)の長い渉禽(しょうきん)型の鳥である。コウノトリ目の鳥に共通の特徴として、口蓋骨(こうがいこつ)は合顎(ごうがく)型で、雛(ひな)は晩成性である。しかし、近年の研究によれば、サギ科、コウノトリ科、トキ科の関係は従来考えられていたほど近くないのかも知れない。サギやコウノトリは外形態がツル類に似ているが、両者の間には直接の類縁関係はない。
[森岡弘之]