日本大百科全書(ニッポニカ) 「コード刺しゅう」の意味・わかりやすい解説
コード刺しゅう
こーどししゅう
cord embroidery
押さえ刺しゅうともいう。コード、紐(ひも)などを表布の上に置き、別糸で刺し止める刺しゅうで、立体感を出す手法である。表地とその上に置くコード類によって、繊細な感じや、しっかりした立体感のあるものができる場合があるので、用途によって材質を選ぶ。
[木村鞠子]
由来
紀元前ギリシアの北西方に住んでいた遊牧民のスキタイ人(スキチャ人ともいう)は手芸を好み、この押さえ刺しゅうをしていた。ヨーロッパでは14世紀ごろにドイツで毛糸を使って壁掛けがつくられており、17世紀にかけてライン川のほとりのキリスト教の尼院でリネン刺しゅうとして多くつくられた。
[木村鞠子]
使われるステッチ
コーチングステッチ、フェザーステッチ、ロールステッチ、またはコードの面側を交互に同間隔でとじつけるなど。
[木村鞠子]
使われるコード類
組み紐、編み紐、撚(よ)り紐、金・銀糸、山型テープ、毛糸など。
[木村鞠子]
布地
木綿、麻、ウール地、化合繊地、チュール地、ネット地、キャンバス地など、つくるものによって自由に。
[木村鞠子]