日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ゴッケル、ヒンケル、ガッケライア
ごっけるひんけるがっけらいあ
Gockel, Hinkel und Gackeleia
ドイツの詩人クレメンス・ブレンターノの童話。1816年ころに書かれ、1838年発表の前に約3倍量に加筆された。初作は、46、47年発刊の、イタリア童話を素材にする2巻の童話集のなかに収められている。奔放な空想力が縦横に駆使され、機知あふれる作品で、ドイツ民族のもつ貴重な文学遺産の一つ。ゴッケルは森の荒れた古城の鶏舎に鳥たちと住む老人の名。ヒンケルはその妻。ガッケライアはその娘。ソロモンの指環(ゆびわ)の力でガッケライアがクロノブス王子と結ばれるというお話。
[平井俊夫]
『伊東勉訳『ゴッケル物語』(岩波文庫)』