縦横(読み)ジュウオウ

デジタル大辞泉 「縦横」の意味・読み・例文・類語

じゅう‐おう〔‐ワウ〕【縦横/従横】

[名・形動]
たてとよこ。また、南北東西。「市街を―に貫く通り
あらゆる方面四方八方。「国内を―に走る鉄道
思いのままに振る舞うこと。また、そのさま。自由自在。「―に活躍する」「才気―」
合従がっしょう連衡れんこう
[類語]縦横無尽自由存分ぞんぶん不羈ふき勝手気まま心任せわがまま好き自分勝手手前勝手身勝手得手勝手好き勝手気随気任せほしいまま奔放自由自在意のまま思いのまま思い通り自在随意任意ランダム無作為恣意フリーフリーダムリバティー

たて‐よこ【縦横/緯】

たてとよこ。よこたて。
たて糸とよこ糸。たてぬき。

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精選版 日本国語大辞典 「縦横」の意味・読み・例文・類語

じゅう‐おう‥ワウ【縦横・従横】

  1. 〘 名詞 〙
  2. たてとよこ。南北と東西。たてよこ。
    1. [初出の実例]「水之道は上下縦横に通達するなり」(出典:正法眼蔵(1231‐53)山水経)
  3. ( ━する ) たてやよこに曲がりくねること。また、たてやよこに通じていること。転じて、いたるところ、どこにでも存在すること。四方八方。
    1. [初出の実例]「無常観念怠ることなく阡陌縦横の道を踏ずとも」(出典:連歌比況集(1509頃))
    2. [その他の文献]〔王延寿‐魯霊光殿賦〕
  4. ( 形動 ) 混乱、混雑していること。統一がなくごちゃごちゃしていること。種々さまざまであること。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「依事疑問陰陽家、所申縦横」(出典:小右記‐永祚元年(989)三月一五日)
    2. 「神通を以て諸の綵女の身体・服飾を縦横に成て不令端(ただしからし)めず」(出典:今昔物語集(1120頃か)一)
    3. [その他の文献]〔漢書‐谷永伝〕
  5. ( 形動 ) ( ━する ) 自由自在であること。思うままに動くこと。心のままにふるまうこと。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「琴書左右、言笑縦横」(出典:懐風藻(751)秋日於長王宅宴新羅客〈下毛野虫麻呂〉)
    2. 「縦横(ジウワウ)に合戦をせんずる便よかるべしとて」(出典:太平記(14C後)一六)
    3. [その他の文献]〔後漢書‐周挙伝〕
  6. 合従(がっしょう)連衡(れんこう)。中国の戦国時代に、時勢をみて諸国君主を説き、国々をたて、またはよこに連合させようとした策略家の策。しょうおう。
    1. [初出の実例]「縦横のことが大義なぞ」(出典:古文真宝桂林抄(1485頃)坤)
    2. [その他の文献]〔魏徴‐述懐詩〕
  7. 和算で、長方形の称。

たて‐よこ【縦横・経緯】

  1. 〘 名詞 〙
  2. たてとよこ。また、東西の方向と南北の方向。よこたて。
    1. [初出の実例]「阡陌は小路のたてよこをしたぞ」(出典:史記抄(1477)一二)
  3. ( 経緯 ) 織物の経(たていと)と緯(よこいと)
    1. [初出の実例]「櫨(はじ)の照葉をたてよこに、赤いべべ織りて著せうの」(出典:浄瑠璃・百合若大臣野守鏡(1711頃)三)
  4. ( 多く「に」を伴って副詞的に用いて ) 思いのまま、自由自在であるさま。また、四方八方。あちらこちら。
    1. [初出の実例]「吾十万人の兵衆をしたがえて、天下をたてよこにあるきたいやう、はたらくと云たぞ」(出典:玉塵抄(1563)三四)
  5. 俳諧で、縦題と横題。

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普及版 字通 「縦横」の読み・字形・画数・意味

【縦横】じゆうおう(わう)

たてよこ。東西と南北。自由自在。また、合従連衡。唐・魏徴〔述懐〕詩 中原(ま)た鹿を(お)ふ 筆を投じて戎軒(軍車)を事とす 縱、計は就(な)らざれども 慷(かうがい)志はほ存す

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