日本大百科全書(ニッポニカ) 「サモエド犬」の意味・わかりやすい解説
サモエド犬
さもえどけん
Samoyed
哺乳(ほにゅう)綱食肉目イヌ科の動物。家畜イヌの1品種で、シベリア北東部の原産。エニセイ河畔にすんでいたサモエード人がトナカイ猟やそり犬用として飼育していたもので、品種名もそれに由来する。体高が雄53~59センチメートル、雌48~53センチメートル。日本犬のように立ち耳、巻き尾をもち、白色の長毛であるが、目や口唇は黒色で、スピッツを大きくしたような感じを与える。白色のほか、クリーム色、ビスケット色のものも認められる。毛は厳寒地のイヌらしく、長い上毛の下に短く柔らかい下毛のあるダブルコートで深くよく詰み、被毛の先端はきらきらと独特の氷のような輝きをみせ美しい。足にも厚く毛が生え、足指はやや長く、いわゆる兎趾(うさぎあし)(足先の握りが細長いものをいう)の傾向がある。
[増井光子]