シェルターデッキ船(読み)シェルターデッキせん(その他表記)shelter deck vessel; shelter decker

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シェルターデッキ船」の意味・わかりやすい解説

シェルターデッキ船
シェルターデッキせん
shelter deck vessel; shelter decker

遮浪甲板船波よけ甲板船ともいう。上甲板に設けた最上全通甲板に減トン口 (開口部) をつけた船。開口部分は総トン数から除外される規程があるので,船型の割に総トン数が小さくなる。このため貨物重量あたりの船内容積が大きくなり,軽量貨物の多い貨物船に適する。また必要な場合は,減トン条件を捨てて,減トン口を閉鎖して平甲板船とすることもある。この船をクローズドシェルターと呼び,重い貨物を扱うことができ,採算的にも利点があった。しかし,その後,国際船級協会 IACSの提案が政府間海事協議機構 IMCOで採択された結果,積量測度規則が改正され,減トン口を設けない船でも,乾玄甲板 (最上層の全通甲板) を上甲板の下にとった場合,乾玄甲板以上の貨物積載場所は船の総トン数に入れないことになったため,今日ではシェルターデッキ船が存在する特別の利点がなくなり,この型の船は姿を消した。

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