化学辞典 第2版 「シシカバブ構造」の解説
シシカバブ構造
シシカバブコウゾウ
shish-kebab structure
高分子の溶液または融体を流動応力場で結晶化させると,分子量の大きい高分子鎖成分が優先的に流動方向に延伸され,一方向に引きそろえられる.この配向した分子鎖間では,結晶核が容易に形成され,結晶化速度はいちじるしく速くなり,流動方向に繊維状の結晶(shish)が形成される.このシシ結晶は,高圧下で得られる伸びきり結晶と同様の伸びきり鎖結晶からなるが,多くの欠陥を含んでいる.このシシ結晶上にエピタキシー成長した折りたたみ結晶(kebab)からなるラメラ晶が派生成長する.このようにして形成された結晶の形態は,中東アジアで有名なヒツジの串焼きに似ていることから,シシカバブと命名された.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報