最新 地学事典 「シュティレ」の解説
シュティレ
Stille ,Hans
1876.10.8~1966.12.26ドイツ ゲッチンゲンで地質学を学び,プロシアの地質調査所に勤務の後,ライプチヒ・ゲッチンゲン・ベルリンの大学に勤めた。最初,中部ドイツの三畳~ペルム系を研究,アルプス型(alpinotype)のアルプス造山運動と同時期に起こったゲルマン型(germanotype)のザクソニア造山運動(saxonische Gebirgsbildung)を提唱(1910~13)。また,構造発達には漸進的なものと急激なものとがあるという『Tektonische Evolutionen und Revolutionen der Erdrinde(地殻の構造的進化と変革)』(1913)を発表。これは後の「造陸運動(Epirogenesen)と造山運動(Orogenesen)」説の萌芽である。1924年の大著『Grundfragen der vergleichenden Tektonik(比較構造論の根本問題)』は,M.ベルトランによって指摘されていたカレドニア・ヘルシニア・アルプスの三大造山運動をさらに明確にし,造山運動は広い地域で同時に短時間のうちに起こるという造山時相(orogenetische Phasen)の考えとともに,世界的に注目された。その後も,基本的には同じ考えで,米国・アジア等の問題を取り上げ,また火成活動の問題を論じた。彼の明快な学説は世界中に知られ,特に『比較構造論の根本問題』は1930~50年代の日本の地質家に大きな影響を与えた。
執筆者:山下 昇
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

