ゲッティンゲン大学(読み)げってぃんげんだいがく(英語表記)Georg August-Universität

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゲッティンゲン大学」の意味・わかりやすい解説

ゲッティンゲン大学
げってぃんげんだいがく
Georg August-Universität

1737年ハノーバー選帝侯によって設立され、その名を記念してゲオルク・アウグスト大学と称される。ドイツ連邦共和国のゲッティンゲン市にある総合大学。創設時、ハレ大学をモデルに、中世以来の神学部優先を排し、科学の自由研究を重んじ、近代的大学への移行に先駆的な役割を果たした。有名なグリム兄弟を含む七教授Göttinger Siebenが、憲法上の問題でハノーバー王と対立して大学を去ったゲッティンゲン七教授事件(1837)は、大学の自由の歴史に一時期を画した。この大学は新人文主義発祥の地でもあり、ゲスナーJohann Matthias Gesner(1691―1761)らの言語学ゼミナールからは人材が輩出したことでも知られる。1995年現在、14学部(神学、法学、医・歯学、歴史・哲学数学、物理学、化学、地球科学、生物学、林学、農学、経済学、社会科学、教育学)があり、学生数約3万人、教員数約2000人を数える。

[馬越 徹]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ゲッティンゲン大学」の意味・わかりやすい解説

ゲッティンゲン大学
ゲッティンゲンだいがく
Georg-August-Universität Göttingen

ドイツのゲッティンゲン市にある大学。正式名称はゲオルク・アウグスト大学ゲッティンゲン。ハノーバー選帝侯でもあったイギリス国王ジョージ2世により 1737年設立。ハレ大学をモデルにして科学の自由な研究を重視し,大学革新運動の先駆的役割をになった。新人文主義の発祥地ともなり,J.ゲスナーの指導による言語学のゼミナールは多くの人材を輩出し,大学におけるゼミナール制度の起源となった。また,ゲッティンゲン七教授事件 (1837) や,C.ガウス,M.プランクなどの大学者の輩出などで知られる。大学図書館の蔵書は優に 200万冊をこえ,貴重な写本や古版本も多く,ドイツで最も豊富な収集の1つ。現在は神学,法学,医学,数学,物理学,化学,生物学,地球科学,森林学,農学,経済学,社会科学,教育などの学部から成り,ドイツでも有数の大学の1つである。教員数約 700名,学生数約3万 1000名 (1997) 。

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