シリコン単結晶(読み)シリコンタンケッショウ

化学辞典 第2版 「シリコン単結晶」の解説

シリコン単結晶
シリコンタンケッショウ
silicon single crystal

ケイ素Siの単結晶.一般に,チョクラルスキー法(Czochralski法(CZ法))や浮遊帯法(Floating Zone法(FZ法))でつくられる.CZ法は,塊状多結晶シリコンを石英るつぼに入れ,アルゴン雰囲気で加熱溶融し,種結晶に接触させて徐々に引き上げる方法である.この方法では,直径400 mm 以上の単結晶インゴットも製造可能であり,大口径のウェファーはすべてこの方法で製造される.しかし,抵抗率の大小を左右するドーパント濃度の軸方向,面内方向のコントロールがFZ法に比べて難しく,不純物が混入する可能性も高い.一方,FZ法は,アルゴン雰囲気で棒状の多結晶シリコンをコイルを用いて引き上げながら高周波誘導加熱し,単結晶を得る方法である.この方法では,非常に比抵抗の高い材料を製造することが可能であり,軸方向,面内方向を均一な抵抗率にすることも可能である.単結晶シリコンの製造法の違いによる生産量の割合は,CZ法が95%,FZ法が5% となっている.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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