ジクロロカルベン

化学辞典 第2版 「ジクロロカルベン」の解説

ジクロロカルベン
ジクロロカルベン
dichlorocarbene

2個のCl原子が二価のC原子に結合したカルベン一種


クロロホルム強塩基を作用させると生成し,オレフィンが共存するとジクロロシクロプロパン誘導体を生成する.cis-2-ブテンとの反応ではシス形のシクロプロパンを,trans-2-ブテンとの反応ではトランス形の異性体を生成する.一般に,カルベンは三重項状態のほうが一重項状態より安定であるが,ジクロロカルベンなどのジハロカルベンは,ハロゲンの電子求引性効果により一重項のほうが安定化しているものと考えられる.ジクロロカルベンは炭素間の二重結合へ付加するが,炭素-水素間への挿入反応はみられず,求電子性が大きいとみられる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ローマ法王ともいう。ラテン語 Papaの称号はカトリック教会首長としてのローマ司教 (教皇) 以外の司教らにも適用されていたが,1073年以後教皇専用となった。使徒ペテロの後継者としてキリスト自身の定...

教皇の用語解説を読む