化学辞典 第2版 「スチボニウム塩」の解説
スチボニウム塩
スチボニウムエン
stibonium(1+) salt
[SbH4]+ およびそのHを炭化水素基に置換した [R4Sb]+ をスチボニウムイオンといい,[SbH4]+ X-,[R4Sb]+ X-をスチボニウム塩という.IUPAC2005年命名法ではスチバニウム(stibanium).[R4Sb]+(または [RR′3Sb]+ など)の塩は安定な化合物が多く得られている.[(CH3)4Sb]Iは,エーテル中に(CH3)3SbとCH3Iを溶かして,長時間放置すると沈殿として得られる.ほかのアルキル化合物も同様にして得られるが,アルキル基が大きいほど生成は困難である.[(C6H5)4Sb]Clは,Sb(C6H5)3,AlCl3とC6H5Clの反応で得られる.また,R5Sbとハロゲン X2,あるいはHXから,
R5Sb + X2(HX) → R4SbX + RX(RH)
の反応でも得られる.[CAS 39105-74-3:[(CH3)4Sb]I]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報