液体の中に存在している固体の粒子が液の底に沈積する現象。以前は「沈澱」と書いた。液底に沈積した固体は沈殿物、あるいは単に沈殿とよぶ。懸濁しているものまでを含めて沈殿ということもある。「澱」は「よどみ」とか「おり」という意味であり、植物の根や茎などを砕いて水に懸濁させ、繊維質を除いた液から沈殿した「おり」がデンプン(澱粉)である。
物質の分離や定量にはよく沈殿の生成が利用され、硫化水素法による沈殿の生成などは実に巧みな活用を行っている。重量分析のほとんどや容量分析の一部(沈殿滴定)、あるいは鏡検分析などに沈殿生成が利用されている。沈殿の生成には目的によって手法があるが、均一沈殿などもその一つである。
[山崎 昶]
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液体中から固体が生成し,沈降し,底部に集まる現象.化学反応,温度変化,蒸発などの現象により,その温度での沈殿物の溶解度積に達した場合に起こる.沈殿操作は物質の分離,精製に利用され,化学分析,とくに重量分析や沈殿滴定に用いられる.さらに微量物質を多量の沈殿物と同時に沈殿させ,濃縮することはしばしば行われる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
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