改訂新版 世界大百科事典 「セントバーナード種」の意味・わかりやすい解説
セント・バーナード[種]
Saint Bernard
原産地がスイスの救助犬。アルプス山中で遭難者を救助するイヌ,またあらゆる犬種のうち最も巨大なイヌとしてよく知られている。チベタン・マスチフTibetan mastiffを基礎として10世紀ころ作出されたと伝えられ,スイス,イタリア国境サン・ベルナール峠にあるサン・ベルナール修道院の修道士たちが,このイヌを使って遭難者を救助したことからこの犬種名(サン・ベルナールの英語読み)が生まれた。しかし実際にこの修道院で飼育,繁殖されたのは16世紀ころ以来のようである。性格はきわめて穏和で調教も容易である。体高は雄68cm以上,雌63cm以上,体重は80kg前後のものが多く,体高,体重とも上限はない。
執筆者:一木 彦三
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報