飼育(読み)しいく(英語表記)raising

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

飼育
しいく
raising

動物を養い育てること。動物を飼育するには,その習性をよく知り,野生の生活環境に近い設備と取扱い方法,飼料を用意することが大切である。家食性の牛,羊,うさぎなどは粗飼料で給与量を定め,不足養分を濃厚飼料で補い,豚,鶏,あひるなどは濃厚飼料を主に,粗飼料で餌のかさを補うのが普通。水生動物の水槽飼育には,水温,水質,酸素,飼料に気をつけ,水質を変化させる要素 (排泄物や餌の残滓など) をこまめに取除くことが必要である。

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デジタル大辞泉の解説

し‐いく【飼育】

[名](スル)家畜などを飼い育てること。飼いならすこと。「山羊を飼育する」「豚の飼育法」
[補説]書名別項。→飼育

しいく【飼育】[書名]

大江健三郎短編小説昭和33年(1958)発表。同年、第39回芥川賞受賞。受賞時の年齢23歳は石原慎太郎の記録と並び、当時の芥川賞史上最年少。昭和36年(1961)、大島渚監督により映画化。

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大辞林 第三版の解説

しいく【飼育】

( 名 ) スル
家畜などを養い育てること。 「乳牛を-する」

しいく【飼育】

短編小説。大江健三郎作。1958年(昭和33)「文学界」に発表。山村に不時着した黒人兵を獣のように飼育する村人たちを、子供の眼を通して描く。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

飼育
しいく

大江健三郎の小説。『文学界』1958年(昭和33)1月号に発表。芥川(あくたがわ)賞受賞。太平洋戦争末期、洪水で外界から孤立した小さな山村にアメリカ軍の飛行機が墜落し、黒人兵が殺される経緯を少年の眼(め)で描く。首尾照応する火葬のイメージの間に、黒人兵を捕らえた大人たちの困惑や、めずらしい飼育動物を与えられた子供たちの祝祭、そして外界との連絡が回復するとともに黒人兵がに戻る恐怖などが、みずみずしい感性で描かれ、戦争の傷を負って少年から脱皮してゆく自伝性に、神話的なリアリティを与えた傑作。[亀井秀雄]
『『死者の奢り・飼育』(新潮文庫)』

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