タビュラ(読み)たびゅら(その他表記)tabula ラテン語

日本大百科全書(ニッポニカ) 「タビュラ」の意味・わかりやすい解説

タビュラ
たびゅら
tabula ラテン語

表面に薄く蝋(ろう)を敷いた木製筆記版のこと。紀元前5世紀ごろのギリシア・ローマ時代に使われた文房具で、現在の紙のような役目を果たした。この上にスタイラスstilusという尖筆(せんぴつ)で傷をつけ、文字などを記したが、通信に用いるときや保管する場合などは、筆記面が擦り消されないようにするため、別の板を表面に重ねてじょうぶな紐(ひも)で縛り合わせた。

[野沢松男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android