タボン洞穴群(読み)タボンどうけつぐん(その他表記)Tabon

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タボン洞穴群」の意味・わかりやすい解説

タボン洞穴群
タボンどうけつぐん
Tabon

フィリピン,パラワン島中部ケソン地区にある洞穴遺跡群。 1962~65年にフィリピン国立博物館の R.B.フォックスらが調査した。タボン洞では約1万年前の後期旧石器時代と考えられるチャート製の剥片石器文化が,グリ,ドゥヨン両洞では石刃を伴う前 5000年頃の剥片石器文化が発見されている。新石器時代前期ではドゥヨン洞で磨製の石斧や貝斧を伴う屈葬人骨があり,後期にはマヌングル洞,ニイペット・ドルドゥク洞で甕棺 (蔵骨器) 葬が開始される。その後初期金属器時代から 12世紀頃まで,青銅器鉄器,ガラス玉,中国陶磁など時期により副葬品は異なるが,同様な葬法の墓所として多くの洞穴が用いられた。マヌングル洞の蔵骨器のふたに死者の舟を付したものは有名。

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