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洞穴 ドウケツ

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デジタル大辞泉の解説

どう‐けつ【洞穴】

洞窟(どうくつ)。ほらあな。

ほら‐あな【洞穴】

洞(ほら)。どうけつ。

出典|小学館 この辞書の凡例を見る
監修:松村明
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大辞林 第三版の解説

どうけつ【洞穴】

ほら穴。洞窟。

ほらあな【洞穴】

ほら。洞穴どうけつ。洞窟どうくつ

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

洞穴
どうけつ
cave

岩石や氷河の中に自然の営力によって形成された空洞で、洞窟(どうくつ)ともいう。一般的には、その中に人間が入るに十分なほどの広さと、太陽光線の届かない暗帯を有しているものをいう。おもなものには鍾乳(しょうにゅう)洞(石灰洞)、海食洞、風食洞、凝灰岩洞、溶岩洞、氷河洞などがある。[三井嘉都夫]

種類・成因

鍾乳洞(石灰洞)は、石灰岩地域で炭酸ガスを含んだ地下水の溶食によってつくられる迷路状の洞穴である。海食洞は、海食崖(がい)の岩石の一部が隣接した岩石より軟らかいところや、割れ目がたくさんできているところに波の侵食作用によってつくられる。風食洞は、砂岩の崖(がけ)が風によって吹き付けられる砂粒、水滴などによって侵食されてできる。凝灰岩洞は、凝灰岩の中の断層や節理などの割れ目に沿って地下水流の削磨(さくま)作用が働き、ある時期からのちはこれに天井の崩壊が加わってつくられる。溶岩洞は、火山から流出した溶岩が冷える過程で、その外側が固結し、その殻(から)を破って内部の溶岩が流れ去ったあとにできる管状の空洞で、粘り気の少ない玄武岩質溶岩のところにできやすい(溶岩トンネルともいう)。氷河洞は、氷河内の流水や氷河内への暖かい空気の循環によって氷河の一部が溶かされてできる。
 洞穴形成の営力とは無関係であるが、風穴(ふうけつ)、氷穴とよばれるものがある。風穴は溶岩洞の大形のもので、洞内の温度差による対流がおこるために風を感ずるのでこうよばれる。氷穴は内部の温度が低く、1年間を通して氷を保存しているものである。[三井嘉都夫]

生物

洞穴は太陽光線がまったく届かず、気温の変化が少なく、湿度が高い。洞穴にはそれらの環境に適応した生物が生息する。洞内の植物は、いくつかの例を除き葉緑素を含んでいない。おもな生物はバクテリア(細菌類)と菌類である。洞穴に住む洞窟動物は、地上の動物が入ってきた外来性のものと、一生を洞穴の中で過ごす洞穴性のものとに分かれる。外来性の動物には、周期的に洞穴で生活するもの(コウモリ、カマドウマなど)と、一時的に迷い込んだものとがある。洞穴性の動物は、好洞窟性と真洞窟性とに区別される。好洞窟性動物とは地上でも洞内と同じように生活できるものをいう。真洞窟性動物とは地上では生活できないもののことで、目は退化し、色素がなくなって透明で、臭覚と触覚が発達している。コウモリの糞(ふん)や流れ込んでくる有機物、腐植土などを餌(えさ)としているが、互いに食べたり食べられたりの食物連鎖の環を洞内でつくっている。真洞窟性動物としては、トビムシ類、ゴミムシ類、ハエ類、クモ類、ダニ類、カニムシ類、シデムシ類、ゲジ類、ヤスデ類、メクラヨコエビ類、ミミズ類、サンショウウオ類、魚類などがあげられる。真洞窟性動物のなかには洞穴深部の土の深いところに住み、その生涯のほとんどを土中で過ごすものもおり、超洞窟性動物ともよばれている。現在生息している真洞窟性動物の大部分は、約7万年前に始まった新生代第四紀更新世(洪積世)氷河時代の最終氷期以前に発生した種から由来したものであるといわれている。真洞窟種は、氷期や間氷期が繰り返されることによって形成されると考えられており、このような説を遺跡説という。日本の洞窟性動物の起源は、遺跡説で説明されることが多い。[三井嘉都夫]

利用・生活

洞穴には古代人の住居や墳墓として利用されたものがあり、洞穴堆積(たいせき)物中にはその遺跡が含まれていることがある。洞穴堆積物中より発掘される石器、土器、炉跡、人骨、獣骨などや洞窟壁画から当時のようすを推定することができる。洞穴を住居としてもっともよく利用したのは、ネアンデルタール人などの旧人類で、彼らが住んでいた洞穴はヨーロッパ各地やイスラエル、イラクなどの中東地域に数多くみつかっている。最後の旧石器人として登場したクロマニョン人が残した壁画がみつかっている洞穴は、有名なアルタミラ洞窟(スペイン)やラスコー洞窟(フランス)をはじめとして、1990年代までに100以上にも上る。日本では、縄文時代の洞窟遺跡は全国各地に知られている。
 とくに第二次世界大戦後、洞穴は観光を目的として、またキノコ栽培や野菜類などの貯蔵庫として利用されている。洞穴からわき出す地下水は灌漑(かんがい)用水、飲料水、養魚用の水などとして使用されている。[三井嘉都夫]

ケービング

洞穴探検のことをケービングcavingという。ケービングには、ハーケン、カラビナ、ザイル、縄梯子(なわばしご)、滑車、アルミ組立て継梯子、ゴムボート、水深計、アクアラング、水中投光器、水中コンパスなどの装備がいる。洞壁の登降にはザイル、縄梯子などを使用する技術が、地底湖、水中洞穴では潜水技術が必要である。ケービングはまず洞穴の測量から始められるが、大きい洞穴の測量にはトランシット、ポケットコンパス、レベル、平板などを使用する。天井が低く幅の狭い洞穴や縦穴などの測量には、持ち運びに便利なポケットコンパス、掛けコンパス、クリノメーター、ハンドレベルなどが用いられることが多い。
 ケービングは、探検者の技術不足や不注意によって事故を招きやすい。撤去されずに残っている洞内既設物(板や丸太の橋、梯子、登山用の鎖やワイヤーなど)を使用する場合には、こわれやすくなっているものが多いのでとくに注意する必要がある。洞内の自然破壊は洞穴生物に大きな影響を与え、またいったん破壊したら復原することは不可能に近い。洞内の破壊、汚染は厳に慎まなければならない。
 洞穴の環境に関して総合的に研究する科学を洞穴学speleologyといい、これには洞穴形態学(形態、成因、発達史などを研究する)、洞穴陸水学、洞穴地質学、洞穴生物学、洞穴考古学などさまざまな分野がある。洞穴学はケービング、洞穴堆積物中の脊椎(せきつい)動物化石の研究、洞穴考古学などから発展してきた。国際学会(国際洞穴学連合)はほぼ4年置きに開かれている。[三井嘉都夫]
『吉井良三著『洞穴学ことはじめ』(1979・岩波書店) ▽加藤守著『日本列島洞穴ガイド』(1981・コロナ社) ▽永田孝文著『素晴らしき地底の世界』(1982・日本テレビ) ▽山内浩著『山と洞穴 学術探検の記録』(1983・山内浩著作集出版委員会) ▽日本考古学協会編『日本の洞穴遺跡』(1993・平凡社) ▽近藤純夫著『ケイビング入門とガイド』(1995・山と渓谷社) ▽山内浩著『洞穴探検学入門』(講談社学術文庫)』

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世界大百科事典内の洞穴の言及

【洞窟】より

…洞穴(どうけつ)ともいう。岩の中にできた地下の空間で,人間が入っていけるだけの大きさをもち,入口の長径が奥行きまたは深さより小さいもの。…

※「洞穴」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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