タマス(その他表記)tamas

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タマス」の意味・わかりやすい解説

タマス
tamas

インド正統バラモン系統の哲学派の一つであるサーンキヤ学派の説で,物質的原理を構成する3要素のうちの一つ。翳質 (えいしつ) と訳される。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のタマスの言及

【サーンキヤ学派】より

…物質的原理は三つの構成要素トリグナtriguṇa(〈三徳〉)から成る。その三つとはサットバsattva(〈純質〉),ラジャスrajas(〈激質〉),タマスtamas(〈翳質〉)で,それぞれかかわりあって存在する。これら3構成要素が平衡状態にあるとき物質的原理は変化しないが,それらのバランスが精神的原理の観察を条件として破れると,物質的原理は変容を開始する。…

【狩猟伝承】より

…しかしながら,たとえば集団狩猟で得た獲物の配分は,いまだに参加者に平等に分け,任務による多少の差異がないのが全国一般である。これをタマスと称し,特別な場合,たとえば猪の場合のとどめの弾丸を射た者,鹿の場合に最初に傷つけた射手に対しては,それぞれトメヤ,ショヤと称して多少の増分もしくは牙,角などの名誉の表現となる品を与える。これは鹿はわずかでも傷を受けるとたちまち逃走力が鈍って捕らえられやすいが,猪は傷に対する抵抗力が強く捕獲が容易でないためで,実はきわめて合理的な処置といえる。…

【代分け】より

…したがってその歴史は古い。代という言葉は,東北から紀伊の太平洋岸で多く使われているが,その同義語には能登などの日本海岸や四国で使用されている歩(ぶ),九州以南で使用されているタマス,ほかにアタリ,メーテなどがある。 各地の漁村で行われる代分けには,漁業組織,漁労実態,漁民の生態を反映してさまざまの形態がみられる。…

※「タマス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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