タマル(その他表記)Tamar

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タマル」の意味・わかりやすい解説

タマル
Tamar

聖書に出てくる地名,人名。原意はなつめやしの木。 (1) カナン南境の町 (エゼキエル書 47・19) 。死海近くのモアブ辺境と思われる。ハザゾン・タマル (創世記 14・7) やタデモル (歴代志下8・4,ソロモン王が荒野に建設) と同一視されることもある。 (2) ユダの子エルの妻。エルの死後,その弟オナンの妻となったが,オナンも死んだため,長く寡婦生活をおくった。その後遊女に変装して舅ユダの愛を得てペレズとゼラの双子の母となった (創世記 38章) 。 (3) ダビデの娘,異母兄アムノンが彼女を恋し無理に犯したのちこれを捨てたので,彼女の実兄アブサロムが彼に復讐した (サムエル記下 13章,歴代志上3・9) 。 (4) アブサロムの娘 (サムエル記下 14・27) 。ウリエルの妻となり,ハベアムの妻マアカを生んだと思われる。

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