改訂新版 世界大百科事典 「エゼキエル書」の意味・わかりやすい解説
エゼキエル書 (エゼキエルしょ)
Book of Ezekiel
旧約聖書の三大預言書の一つ。ユダ王国末期からバビロン捕囚期前半に活動した預言者エゼキエルの預言を集めている。全体は3部に大別される。(1)1~24章。ユダとエルサレムに対する審判の預言を中心とする。まず1~3章にエゼキエルが審判告知の預言者として任ぜられたことを記し,北イスラエル王国,南ユダ王国,とくにエルサレムの背信の歴史を語って審判が不可避であることを示す。(2)25~32章。アンモン,モアブ,エドム,ペリシテ,フェニキア,エジプトなど近隣諸民族に対する審判の預言。(3)33~48章。エルサレムを中心とする全イスラエルの復興の預言をおもな内容とする。神殿再建の幻は40~48章。
執筆者:木田 献一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報