化学辞典 第2版 「チタン触媒」の解説
チタン触媒
チタンショクバイ
titanium catalyst
チタンの触媒作用を利用した触媒.チタン単独の触媒作用としては,ハロゲン化物のルイス酸型触媒作用によるオレフィン重合,アルキル化などが知られているほか,酸化物は多少の酸化活性が知られている程度で,むしろ触媒の担体としてよく用いられている.チタンが重要なのはチーグラー-ナッタ触媒として知られる有機アルミニウム共存下の重合触媒作用である.三塩化チタンが用いられているが,チタンリン酸塩にも同様な活性がある.酸化チタン-アルミナ系の高重合触媒も現れている.また,酸化物は光触媒として重要であり,紫外光を吸収して酸化還元反応を誘起する.ガラスや壁などに薄膜状で担持し,防汚,防曇に利用される.一方,ゼオライト結晶骨格に組み込まれたチタン(チタノシリケート)は,とくに過酸化水素を酸化剤とする液相酸化反応の触媒として用いられる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報