日本大百科全書(ニッポニカ) 「ツウェット」の意味・わかりやすい解説
ツウェット
つうぇっと
Михаил Семёнович Цвет/Mihail Semyonovich Tsvet
(1872―1919)
ロシアの植物学者。スイスのジュネーブ大学で学んだのち、ロシアに戻り、ペテルブルグ、ワルシャワで植物学を教授した。1906年、緑葉の石油エーテル抽出液を、ガラス管に詰めた炭酸カルシウムの層に通すことによって個々の色素を分離する方法を発表し、これをクロマトグラフィーと名づけた。この方法によって彼は、クロロフィルにα(アルファ)とβ(ベータ)の2種があることを確立したほか、種々のキサントフィルやカロチン類を分離した。クロマトグラフィーは1930年代以後急速に発展し、現代の主要な分析技術の一つとなっている。
[内田正夫]
[参照項目] |